
「既存の会議室端末からTeams会議に参加したい」という要望だけであれば、必ずしもPexipの導入が必要とは限りません。参加者がPCからTeamsへ入る運用で十分であり、既存の専用端末を残す理由も特にないのであれば、Teams Roomsへのリプレースを検討してみるのも一つの方法です。
一方でPexipが有力な選択肢となるのは、CiscoやPolyなどに代表される既存のH.323/SIP(Session Initiation Protocol)端末を有効活用したい場合です。さらに、オンプレミスや閉域網の会議基盤を維持したい場合や、クラウド障害に備えた代替経路を確保しておきたいケースでも力を発揮します。Teamsへの接続は、Pexipが備える機能の一部にすぎません。機種名だけで判断するのではなく、「誰が会議を主催するのか」「Teams以外にどの接続先を残す必要があるのか」「クラウド障害時にも会議を継続する代替経路が必要か」という3つの視点から整理してみましょう。
会議室からTeams会議へ参加する方法には、大きく分けて3つの選択肢があります。Cloud Video Interop(CVI)を利用する方法、Pexip Infinityを導入して既存端末と複数の会議環境を統合する方法、そして会議室の機器をTeams Roomsへ入れ替える方法です。
CVIはTeams会議と既存端末をつなぐ相互接続の仕組みであり、Pexip InfinityはMicrosoftが認定するCVIパートナー製品の一つです。この2つは既存端末を残して接続構成を整える選択肢です。一方、Teams Roomsへの入れ替えは、Pexipの導入とは別に、会議室の機器と操作をTeams中心へ更新する選択肢として比較します。
CVIは、サードパーティ製のSIP/H.323ビデオ会議端末をMicrosoft Teams会議へ参加させるための、Microsoft認定パートナーによる相互接続ソリューションです。使い慣れた会議室の端末をそのまま活かしながらTeams会議へ入れるため、機器の一斉入れ替えを急がずに段階的な移行を進めたい場合におすすめです。
導入を検討する際は、残したい端末の機種選定をはじめ、対応するCVIパートナー、展開方式(SaaS型または自社ホスト型)、社内ネットワーク環境、端末側のダイヤル設定などをあらかじめ整理しておきましょう。Microsoft Learnによると、CVI端末が参加する会議を予約する主催者ごとにライセンスが必要とされています。詳しい契約条件は事前にCVIパートナーへ確認しておくと安心です。特に、自社が主催するTeams会議へ会議室端末から参加する頻度が高い企業では、第一の候補として検討してみるとよいでしょう。
参考:Microsoft Learn「Microsoft Teamsのクラウド ビデオ相互運用機能を管理および設定する」
Pexip Connectは、Microsoft認定のCVI技術を活用し、SIP/H.323端末とTeams会議をスムーズにつなぎます。既存の設備投資を無駄にせず、手軽にTeamsへの参加経路を追加したい場合にぜひ活用してみてください。
既存のH.323/SIP端末を大切に使い続けながら、Teams会議だけでなく拠点間のテレビ会議やGoogle Meetなど多様な環境への接続もまとめて統合したい場合は、Pexip Infinityの導入を検討してみましょう。CVIによるTeams接続にとどまらず、会議の接続口(仮想会議室)や端末登録、呼制御までを単一のプラットフォームで柔軟に設計できる点が、単なるTeamsゲートウェイとの大きな違いです。
当社が取り扱うPexip Infinityなら、既存のH.323/SIP端末をそのまま活かしつつ、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドの中から自社のセキュリティ方針に最適な導入形態を選べます。機密性の高い重要会議や拠点ごとのネットワーク制限、耐障害性を高める冗長化要件にも柔軟に対応できるため、全拠点を一斉に更新するのではなく、段階的に移行を進めたい企業にもぴったりです。
社内の会議の大半がすでにTeamsで開催されており、会議室の予約から会議への参加まで操作感を統一したい場合は、従来の機器をTeams Roomsへ入れ替える方法が適しています。各会議室をTeamsのリソースアカウントとして登録できるため、情シスにとっても一元管理しやすい点が魅力です。
ただし、Teams Roomsを導入すれば、あらゆる従来のSIP/H.323端末と無条件で相互接続できるようになるわけではない点に注意しましょう。Microsoft Learnによると、対象はWindowsまたはAndroidベースのTeams Roomsであり、従来のSIP/H.323端末と直接通話を行うにはTeams Rooms Proライセンスや認定CVIプロバイダーの対応プラン、適切なポリシー設定が必要とされています。もし社内や取引先に従来のテレビ会議端末が残っているなら、入れ替え後にどちら向きの発着信が必要になるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
参考:Microsoft Learn「Teams Roomsを使用した SIP および H.323 ダイヤル」
方式を比較する際は、単に「Teamsへつながるかどうか」だけで選ばないことが大切です。手元に残したい既存設備や、会議の主催者が自社か社外か、Teams以外の接続先が残るか、そして運用担当者の管理負荷まであわせて見極めてみましょう。
| 比較軸 | CVIで既存端末を接続 | Pexip Infinityで既存端末を維持 | Teams Roomsへ入れ替え |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 既存のSIP/H.323端末からTeams会議へ参加 | 既存端末、Teams、ほかの会議環境を一つの接続構成で扱う | Teams中心の会議室へ統一 |
| 既存端末 | そのまま利用 | そのまま利用 | 原則として入れ替え |
| Teams会議への参加 | CVI経由 | CVIを含むPexipの構成で参加 | Teams Roomsから参加 |
| SIP/H.323側への発信 | 契約・構成ごとに確認 | 端末登録や通話制御を含めて設計 | Teams Rooms Proと対応プランなどが必要 |
| 向いている状況 | 自社主催のTeams会議が多く、端末を残したい | 接続先が混在し、機密性・冗長化・段階移行も検討したい | Teams利用が中心で、会議室の操作も統一したい |
なお、CVIとPexip Infinityは二者択一の排他的な関係ではありません。「Teams会議への接続ゲートウェイ機能だけをピンポイントで導入したい」のか、「既存端末を含む自社の会議インフラ全体をPexipで統合・再構築したい」のかという、検討範囲の違いとして捉えてみると判断しやすくなります。
まずは会議室ごとに、端末のメーカー・機種名、H.323/SIPへの対応状況、保守終了期限、さらにはカメラやマイク、ディスプレイの劣化状態などを一覧表にまとめてみましょう。毎日フル稼働している本社の大会議室と、非常時や月1回程度しか使わない拠点とでは、更新の優先度が異なるはずです。設備の状態だけでなく会議室ごとの利用実態や役割を切り分けて整理することで、「この部屋はCVIで既存端末を活かし、あの部屋はTeams Roomsに入れ替える」といった柔軟な判断もしやすくなります。
次に確認しておきたいのが、自社で主催するTeams会議と、取引先など外部から招待される会議の比率です。あわせて、会議室のH.323/SIP端末からTeamsへ入る「受動的な参加」だけで足りるのか、あるいはTeams Rooms側から社内外の従来端末を呼び出す発信機能まで求めるのかを明確にしておきましょう。外部テナントの会議への参加可否や、ロビーでの待機動作、招待メールの形式などは構成によって挙動が変わるため、日常的に発生する会議パターンを洗い出し、実機での事前検証を行っておくと安心です。
拠点間を結ぶ従来のH.323/SIP専用線会議や、取引先から指定されるGoogle Meetなど、Teams以外の接続先が社内に残るかどうかも忘れずに洗い出しておきましょう。社内の会議がTeamsだけで完結するのであれば、シンプルなCVIの導入を中心に検討できます。一方で、今後も複数の会議サービスや専用端末同士の接続が混在する場合は、Pexip Infinityを活用して端末登録や通話制御を一元化しておくのがおすすめです。接続先ごとに別々の仕組みを増やす手間を省き、運用管理の負荷を大幅に抑えられます。
役員会など機密性の高い会議では、単に参加できることだけでなく、「通信データがどのサーバーを経由して処理されるか」「万が一の障害時にどの予備経路へ切り替えるか」「管理者がリアルタイムで接続状況を把握できるか」といった統制要件もあらかじめ決めておきましょう。オンプレミス環境での運用が必須なのか、クラウド型で十分なのか、拠点ごとに機能を分散配置すべきかなど、セキュリティポリシーと照らし合わせて検討してみてください。平常時の利便性だけでなく、クラウド障害や回線トラブルを想定した接続テストを計画しておくことが重要です。
導入方式を選定した後は、実際の会議運用フローを具体的に設計しておきましょう。参加者が招待メールの案内を見て手動で番号を入力するのか、予定表からワンタップで参加するのか、あるいは管理者が遠隔で一括呼び出しを行うのかなど、運用ルールを明確にしておくことが大切です。また、事前検証を行う際は、映像と音声の品質確認にとどまらず、資料共有(PC画面の共有)や二画面表示、ロビー待機時の挙動、会議途中での参加者追加といった操作性まで網羅的にテストしておきましょう。「一度つながった」で終わらせず、現場の利用者が迷わずに使いこなせる状態まで確認しておくことがスムーズな定着への近道です。
すべての会議室を一斉にTeams Roomsへ入れ替えようとすると、まだ十分に使える設備まで更新コストがかかるだけでなく、従来端末を使い続けたい拠点や取引先との接続手順が一気に変わるため、現場の混乱を招きかねません。反対に、現状の機器をそのまま放置してしまうと、Teams会議をメインで使う部屋で操作トラブルが頻発する原因になります。
そこでおすすめなのが、利用頻度の高い代表的な会議室をいくつかピックアップし、実際の会議パターンでCVIやPexipを用いた接続検証(PoC)から始めてみることです。その検証結果を踏まえて、「重要拠点や役員会議室はPexipで既存端末を活かしつつ予備経路を確保」「Teams利用が集中する小会議室はTeams Roomsへ更新」といったように部屋ごとの役割を切り分けていくと、投資対効果を高めながら無理のない段階移行を実現できます。
私たちメディアプラスは、Pexipの日本販売代理店として、既存の会議室端末や社内ネットワークの現状調査から、CVIの初期設定支援、Pexip Infinityの構成設計、会議パターンに応じたPoC(概念実証)、本番への移行、そして稼働後の運用支援までワンストップでサポートしています。「自社にはPexipが最適なのか、それともTeams Roomsへ入れ替えるべきなのか」という選定段階から、端末台帳や会議の利用実態をもとに最適なアプローチをご提案いたします。
もし、従来のテレビ会議のような多拠点の一斉呼び出しや定期予約、緊急時の招集、会議中のオペレーター遠隔操作といった手厚い運用を残したい場合は、当社独自のVMRオペレータ®をPexip Infinityと組み合わせる運用もおすすめです。まずは現在の端末一覧や普段のTeams会議の利用状況、閉域網の有無、障害時に残したい会議への参加方法などをお気軽にお聞かせください。貴社に最適な接続構成と段階的な移行プランをご案内いたします。ぜひメディアプラスへのお問い合わせからご相談ください。
「まだ要件が固まっていない」「何から手をつければいいか分からない」そんな段階でも構いません。
課題の整理からPoC設計、運用設計まで、私たちメディアプラスが一緒に進めます。